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天童自動車学校で新生活

「とりあえずうまくいっているのだから問題はない」と見るのか、それとも「何かおかしい。
そのうちに問題が出てくる」というふうに見るのかは、問題意識の差である。 絶えず進化を続けていこう、と思えば”一見何の問題もない”と思われるような状況にも問題の芽を見つける澄み渡った目を持っている必要がある。
問題が正しくとらえられてないところには進化はもう一つは、シールをいかにうまく使うか、ということである。 例えばKJ法とか、KT法であるとか、ワークデザイン法のような、いろいろなシールが考えられる。
こういうシールを有効に使って問題に迫っていくことは、やり方次第できわめて有効である。 このようなシールを使ってもあまりうまくいかないケースというのは、ほとんどの場合「シールを目の条件である。
しかし、見えにくい問題を顕在化するにはそれなりの能力が必要だ。 その能力を身につけるには、学習も必要になる。
問題を見いだす能力を身につけるには、実際の現場での事実や現象を前にした学習が必要不可欠なのだが、そこで重要な役割を担っているのが問題意識を呼び起こす価値観である。 問題を見る目を養うためには、例えば「ムダをなくす」という価値観が必要だ。
と同時に、別の面から本当の問題を見ようと思えば、「ゆとりが必要だ」という価値観も大切なのだ。 これらのいずれの価値観もその意味するところは、従来の常識を転換する価値観である。
そういう意味で言えば、いわゆる「仕事ができる人間」というのは変革という点でしばしば要注意だ、というのは経験に基づく一つの価値観である。 いくら「仕事ができて」も現状に対する問題意識を欠いていたり、変革に対する「思い」を持っていない人間は、”変革する”という点ではまったく役に立たないからである。

それどころか変に自信を持っているために、変革には明らかに障害となり、実に始末が悪いということが多いのだ。 こうした価値観をしっかり持つことなしには問題を正確に見ることはできない。
この核になる価値観が問題を見る目を養い、問題の本質に迫るための第一番とである。 T生産方式をつくったO氏は、「常に『なぜ』を五回繰り返せ」を口癖にしていたと言われる。
Kは生産現場でいつも「なぜ」を五回繰り返す、という習慣をつけようと努力していた。 「なぜ」を五回繰り返すというのは、実際やってみればわかることだが、そう簡単ではない。
一回目の「なぜ」は特に問題はないのだが、二回目、三回目になってくると、徐々に「なぜ」と言っても答えが見つかりにくくなる。 ましてや四回目、五回目になると、「なぜ」と考えること自体が難しくなってくる。
ある意味では、「なぜ」を五回繰り返すというのは、徹底的に考えるということである。 使うのは人間だ」という当たり前のことを無視して、シールを単なるテクニックと誤解して使ってしまっているときである。
ツールを使って問題に迫ろう、と言っても、お互い同士「相談し合える」という信頼関係を築くことなしにシールに頼ると失敗する。 結局、長続きしないのである。
シールを使って成功している例の一つに、企業ではないが、教師集団で用いられているテトラSというやり方がある(K著『学校蘇生法』黙出版)。 このテトラSは学校で多くの成功事例を生み出しているが、やはり教師同士の相談し合える信頼関係を築かずに運営したところは途中で挫折している。
そういう意味では、今ある制約条件というものを鵜呑みにせず、何がいったい制約条件になっているのかということも含めて、もう一度問題を洗い出してみることが大事である。 意外に意識していない制約条件があるなかで、その意識していない制約条件が制約になって、問題が見えていなかったりするケースも多いからである。

変革を成功させるには、すでに述べてきたようにその中枢を担う経営者を中心としたごく少数の役員と、その周りで協力し合う数パーセントの中核的なリーダーの存在が不可欠である。 もちろんのことだが、変革のリーダーシップをとる人々だけで変革が進むわけではない。
その他の人々の協力が必須条件である。 多くの人の協力なしには現代の改革はなしとげられないという特性がるため、この変革の中核的リーダーの「他の人と協力関係をつくっていく能力」は絶対的な必要条問題の本質に迫る方法は、このようにいくつもあるが、信頼関係をつくる核になる情報を明確に持つ、シールを使う、というような条件を揃えることによって、問題を見る目はかなり養われてくるのである。
協力関係を築く能力というのは、言い換えると、相談し合える関係を築く能力でもある。 こういう能力をフルに使って社内の変革のキーマンネットワーク(コアネットワークと言う)をつくり上げていくことが急速に進行する変革を下支えするのだ。
Tの強さはこの変革を推進する中核的リーダー相互のネットワークの強さでもあった。 こういうネットワークが強い、というのはチェンジリーダー同士がお互いにお互いのことをよく知り合っている、ということでもある。
だれに何を相談すればいいのか、どういうときにだれに協力を依頼すると話はうまく進むのか、というようなきわめて属人的な情報をお互いが共有しているということなのだ。 日本の企業はもともとこういう属人的な人間関係で仕事が進んでいく、という傾向を強く持っていた。
そして、その典型がある意味ではTなのだ。 多くの場合、一方で人間関係で仕事が動く、という泥臭い側面を持ちつつ、もう一面では、お互いにきわめて強い牽制関係で動く要素も持っていたのが今までの日本企業だった。
そして、この「人間関係で仕事が動く」というのは一歩間違えば派閥的な動きになりうる要素も含んでいる。 派閥にならなくても、一人ひとりが損か得かだけで自分の行動を判断してしまうような後ろ向きの姿勢を持ったり、経営に対する信頼感がなくなってくると、相互の牽制作用が強くなってしまって身動きができなくなる。

Tとその他の普通の日本的企業を分けた点は、まさに変革の中核を担いうる人々がお互いにネットワークを持って、経営に対する信頼感をベースに前向きに協力し合うことで機能しているか否かなのだ。 いずれにせよ、「これをやれば勝てるのか」というような前向きの感覚をみんなが共有しているような状況であって初めて、人間関係で仕事が動く、という日本的経営のよさが表に出てくるのだ。
そして、その日本的経営のよさである協力関係をつくり上げることができるのは、人と相談し合える能力である。 本来、階級や立場にも関係なく、社内の人間が同じ釜の飯を食う同胞として、人と上手に相談し合える能力を持っていたことが日本的経営の強さの根源だったのである。
しかし、問題のある日本的企業には、他の人と相談し合うことをまったくと言っていいほどしない。 ある精密部品の加工装置のメーカーで、一時期、新製品開発で非常な遅れが出た。
やっと出た製品も性能的にも競合に負けているし、しかも不具合の続出という散々たる状況に陥ってしまった。 なぜこのようなことになってしまったのだろうか。
開発責任者である部長は、長年この機種の開発に携わってきたベテラン中のベテランである。

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